そらとり

不適切養育と虐待の違い
2020/12/13 ブログ
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子供が心身ともに成長していくためには、

おっぱいをもらったり、成長に応じた食事を与えてもらったり、

お風呂に入れてもらったり、おしめを替えてもらったりするする必要があります。

 

それに加えて、目と目で見つめあったり、歌を歌ってあげたり、

優~しく話しかけたり、なでてあげたり、抱いてあげたりなどのスキンシップが不可欠です。

 

そのような関わりの中で、赤ちゃんが「ここは安全だ」「自分は歓迎されている」って感じることが神経系の発達にとってとても重要です。

 

「おいし~」って言ったら「おいしいね!」ってフィードバックをもらうこと。

「痛いよ~!」って言ったら「痛かったね~!!」って共感してもらうこと。

 

それらを通して、社会に順応しながら心身ともに健康に育っていくことができます。

 

一方で、

「痛いよ~!」「痛くない!男のこでしょ!」って共感を得られなかったり、

「早くしなさい!」っていつもせかされてたり、

「遊んで~」って近づいて行っても「あとでね」って相手にされなかったり、

「あなたのためだから」と限界を超えた努力を強いられたり、

「お兄ちゃんは優秀なのになんでお前は・・」って比較されたり、

「お姉ちゃんだから・・」って下の子の面倒を強要されたり、、

これらは「不適切養育」と呼ばれます。

 

また、両親の夫婦喧嘩が絶えなかったり、

親がストレスでいつもピリピリしていたりなど、

家庭環境も「不適切養育」に含まれます。

 

「虐待」はわかりやすいですが、

この「不適切養育」は自覚されていないことも多いのが問題です。

 

殴る、蹴るなどの暴行やひどい暴言が行われていれば、

「自分は虐待を受けた」と自覚を持ちやすいのですが、

「不適切養育」の場合は、

ご飯は食べさせてもらってたし、

塾などの習い事にも通わせてもらってたし、

特に不自由な感じはなかったので「幸せな子供時代だった」と認識していることが多いようです。

 

ここに、日々繰り返されることで「発達性トラウマ」を招く恐れのある「不適切養育」の一例を挙げておきます。

・子供に手をあげる

・思いやりのない言葉がけをする

・タイミングよく子供のニーズを満たさない

・服装や友人関係の「介入しすぎ」

・子離れできない

・過度の心配性

・無理に頑張らせる

・親の未熟による「子供への嫉妬」

・兄弟を比較する

 

どこの家庭でも起こりうることばかりですよね。

僕にも経験があります。

ですがここでは、それを責めるのではなくて、

そういうことが子供の成長、

そして大人になった時の人格形成にも大きく関わってくるという事実を

まず知っていただきたいという趣旨でこれを書いています。

 

詳細は、、「その生きづらさ、発達性トラウマ?」花丘ちぐさ著にあります。

 

このような「不適切養育」があると、

自己肯定感が低かったり、

人とうまくやっていけない、

周囲にある不安要素にばかり目が行く、

いつもビクビクしてる状態になりやすいのです。

 

難しいのは、赤ちゃんや幼い子供の頃に「不適切養育」があっても、

覚えていないことです。

 

自分に自信がなかったり、

ひどく人に気を遣ったり、

ネガティブなことばかりに目が行きがちだったり、

すぐに怒り出したり、、

不安につきまとわれたり、、

 

自分の生まれつきの性格のせいだと思っていたものは、

実は、この不適切養育による発達性トラウマ障害かもしれません。

 

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自覚しにくい発達性トラウマ障害

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